㉒地球のはしからはしまで走って考えたこと
(北田雄夫さん)
中学から陸上部に入り近畿大学3年時に4✕400メートルリレーで日本選手権3位。就職後は一度陸上から離れるも物足りなさを感じている自分に気づく。「‥今、自分は燃えているか? 」気がつけば目標を見失い人生のことを深く考えもせずただ日々が過ぎ去る現実。僕が思い描いていた人生はこれではない。何かに熱中したい。もっと生きている実感、充足感が欲しい。思い悩んだ著者は会社を退職。マラソンやトライアスロンに挑戦したがそれでも内なる情熱は満たされない。
そんな著者が見つけた新たな世界はマイナースポーツ、アドベンチャーマラソンだった!
賞金なし、砂漠・山岳・極寒の氷雪・ジャングルなど厳しい大自然を舞台に道なき道を進む、自給自足のセルフサポートが基本ルールの世界一過酷なマラソン、それがアドベンチャーマラソンと呼ばれるスポーツだ。
本書は30歳から命がけのアドベンチャーマラソンに体当たりで参戦し挫折につぐ挫折や内なる葛藤を乗り越え日本人初の世界七大陸アドベンチャーマラソン走破の偉業達成までの苦難苦闘が描かれています。
彼の挑戦する姿からまだまだ自分には知らない世界やすごい挑戦をする人がいることを知り胸が熱くなりました。走力や英語ができるかどうかに関係なくやってみればわかるさと情熱のままに進む度胸も大事なんだなと考えさせられた。
また著者がくじけそうになる心を支えた言葉として紹介されていた坂本龍馬の「世の人は我を何とも言わば言え。我がなすことは我のみぞ知る(世間は何とでも言えばいい。僕がやるべきことは僕だけが知っているんだ)」やスタイリスト大草直子さんの「謙虚であるか、感謝しているか、挑戦しているか、学んでいるか、愛しているか、楽しんでいるか」という言葉も印象に残った。
悔いのない人生を生きたいから悩む、そんな等身大の自分をさらけ出し悪戦苦闘しもがき苦しんで自分の道を切り開いた著者の姿に勇気と感動をもらった。今、自分は燃えているか?そんなシンプルな問いがつきつけられます。オススメの一冊です。