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マラソンや登山など趣味で挑戦したことを紹介します😖

#読書備忘録⑦

お題「今、チャレンジしていること。」

栗山英樹29歳夢を追いかけて

(栗山英樹さん)

 

2023年14年ぶりに野球日本代表をWBC優勝に導いた栗山英樹監督の自叙伝。ヤクルトスワローズのテスト生として入団。チーム随一の落ちこぼれ選手からやっと一軍のベンチ入りの切符を手にしたと思ったら病魔に泣かされる…。紆余曲折の選手時代を知れる良書です。

 

特に心に残ったのは原因不明治るかどうかも分からない病にかかった時に重い病気で入院している子供たちと出会った時のエピソードです。重病人にも関わらず暗い顔ひとつ見せるでもなく毎日を精一杯生き明るく大好きな野球の話や将来の夢を話す姿に心をうたれた著者は奮起。少しずつでも前向きに生きようと気持ちを切り替える努力をはじめます。無理をしてでも笑顔をつくるよう努めジョークのひとつも話すように心がけます。

 

 

その結果は徐々にあらわれて、お見舞いに来てくれた人たちに「お、元気にやっているじゃないか」と言われるように。さらに看病する母の「かわいそうで代われるものならかわってあげたい」の一言に「自分のためだけじゃない、母のためにも何としてもこの病気を治してやる」と自分の力で病気を治し再起すると誓い色んな治療を試していきます。諦めてしまったら治る病気も治らない。病気治療に何よりも大切なのは病気に負けない強い心をもつこと。病気を恐れるなと強く言い聞かせた著者は再発を心配するよりもなればなった時のことと開き直りそれよりも目の前で僕を待ってくれている野球に全力で取り組もうじゃないかと意識を切り替えます。こうして少しずつ肉体的にも精神的にも少しずつ立ち直った著者は努力と全力プレーを信条とし「結果を恐れずにその時々で自分のベストを尽くす。人より努力できなくなった時ユニホームは脱ぐ」という生き方にシフト。現在の活躍のバックボーンとなった不撓不屈(ふとうふくつ)の物語に感動しました。誰しも自分のツキのなさに泣きたくなったり世の中を恨みに思うような時期があるのではないでしょうか。あさましくなる時期もあるかもしれません。人生は綺麗事じゃないです。それでも生きていれば必ずやり直せる。苦しみにもがくのは決して1人だけではない。なんとでもなる、なんてことはない。不幸を数えるよりそんなくだらないことは忘れて刻石流水(こくせきりゅうすい)の方がいい。死ぬ時に持っていけるのは愛にあふれた思い出だけだ。色々なことを考えさせられた本でした。

 

ぜひ読んで見てください。