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マラソンや登山など趣味で挑戦したことを紹介します😖

#読書備忘録④

お題「今、チャレンジしていること。」

 

ディベートが面白いほどできる本             (茂木秀昭さん)

 

 

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ディベートとはひとつの論題(トピック)に対して肯定側、否定側に分かれて調査しそれぞれの視点から意見を述べ最終的に審査員が審判するという流れで進める問題解決、意思決定、真理探求のための合理的な手法のことをさす。判定基準はどちらがより合理的な説得力があったかで判断する。死刑制度の廃止を例に簡略化した判定基準を示すと死刑制度を廃止する必要性(問題の深刻性)はあるか、問題は現状で解決できるか(内因性)、プラン採用後のメリットとデメリットはどちらが大きいかの3つに要約される

 

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トピックの種類は3つ。1つ目は事実ディベート。宇宙人は存在するかなど事実として正しいかを議論する。2つ目は価値ディベート。スパルタ教育は効果があるなどある価値観が望ましいかどうかを議論する。3つ目は政策ディベート。首相公選制を導入するなどある政策を採用するか否か議論する。また合理的な議論をするためにトピックには、賛否が明確に分かれること、中心となる議題は1つであること、問題自体に議論する意義があること、予断を与えるような表現(断定的な表現、解釈が分かれる曖昧な表現)を入れないこと、双方に合理的根拠があること、の5つの要件がある

 

トピックが決まると肯定側と否定側は証拠資料(エビデンスカード)の資料収集、問題分析、議論構築などの準備をする。議論構築とは自分たちの言い分を聴衆及び審査員に「この案を採用したほうがいい」と思わせるためにその主張に説得力をもたせるため立論を構築することをさします。具体的には肯定側の場合は5つの基本争点と呼ばれるポイントを具体化したり証明する必要があります。①現状に深刻な問題が存在する(問題の深刻性)。②問題は現状では解決できない(内因性)。③改革案で問題は解決できる(プランの問題解決力)。④改革案は現実的なものである(プランの実現可能性)。⑤デメリットを上回るメリットが生じる(メリット、デメリットの比較)です。これは問題の深刻性を訴える型で問題解決型理論と言います。ではそれほど深刻な問題が見つからなかったり立証が難しい場合は肯定側はどう議論を構築するのでしょうか?そうした場合には改革案によるメリットの大きさを前面にだして現状との比較優位を訴える戦略をとります。これを比較優位型議論といい次の5つが争点となります。①メリットはとても大きなものである(重要性)②メリットは現状では得られない③メリットは改革案で得られる(プランの効力)④改革案は現実的なものである(プランの実行可能性)⑤メリットはデメリットより大きなものである(メリット、デメリットの比較)です。

 

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この主張に対して否定側は逆の主張を考えます。問題解決型議論に対しては5つのポイントを押さえます。①問題はそれほど(現状を変えるほど)深刻ではない②(たとえ深刻であっても)現状で解決できる(内因性)③改革案では問題を解決できない(プランの実行可能性)④デメリットの方がメリットを上回る(メリットとデメリットの比較)。

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比較優位型議論に対しては次の5つがポイントになります。①メリットの意義はそれほど大きくない(重要性)②メリットは現状で得ることができる③プランではメリットは得られない(プランの効力)④プランは実行できない⑤メリットを上回るデメリットが生じる(メリットデメリットの比較)。これにエビデンスで肉づけしスピーチを書いていきます。否定側は肯定側の出方に対応する必要があるため主要な議論とエビデンスを用意しておき取捨選択して立論を組み立てます。

 

反対尋問は一問一答形式で行い、議論の確認と明確化(理解出来なかった点を確認したり明確にする)相手の議論の検証(データや基本争点に関して検証する)事実や議論を認めさせる(自分たちに有利な事実や議論を相手に認めさせる)という3つの目的をもって行う。基本の質問としてはwhy?(なぜそう言えるのか)what?(何が問題なのか)how?(どのようにそれを解決するのか)を念頭におきます。とくに基本争点にそって質問したり相手の証拠資料に関して質問していきます。

 

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避けた方がよい質問は5つ。①オープンエンドの質問「〜についてはどう思われますか」(相手がどのようにでも答えられるため答えをコントロールできない)②長々と答えさせる質問「〜について説明してください」(出来るだけ多く質問できるように短めの答えを求める)③相手を利する質問「〜に関しては反論はありませんか?」(反論してきた点に対して質問をするほうが効果的)④主要争点に関係のない質問(時間の無駄)⑤場当たり的な、反駁(はんばく)に繋がらない質問「どうしてそのプランを考えたのですか?」(欲しい答えを引き出す)

 

反駁(はんばく)は反論を含めたスピーチで試合の流れを決める重要な働きをもつ。データを提示し議論しあう。

 

反論①別のデータで別の主張を導き出す

「フィリピンでは死刑廃止後に凶悪犯罪が増えた」という正反対のデータを提示して「だから死刑には犯罪抑止力がある」と主張する

 

反論②相手のデータが主張を裏づけているか、その関連性を検証する

「このカナダのデータでは、なぜ死刑廃止後に犯罪率が下がったか原因が分かりません」と疑問を呈しそのあとに別のデータを出して「カナダは他の死刑存置国に比べてもともとの犯罪率が低く治安がよいだからカナダの例を日本に当てはめられない」と反論できます

 

反論③相手の議論(主張とデータ)の前提(→論拠という)を崩す

「カナダでは死刑廃止後、犯罪が減った」という議論(主張+データ)には「死刑に犯罪抑止力があれば廃止したら犯罪は(一般的に)上昇するはずだ」という隠れた前提(論拠)があります。その前提を崩して「犯罪の抑止力は死刑の有無だけではなく(一般的に)その国の犯罪検挙率にも左右される」という違う論拠を提示して「だから死刑廃止後、犯罪率が下がったからといって、それだけで死刑に犯罪抑止力がないとはいえない」と逆の主張をすることができます

 

④データのない場合は自分で計算する

「現在の再犯率から計算すると日本で死刑廃止したあと、再犯の確率はやや下回るとしても新たな犯罪被害者が年間○人くらい出ることが推定されます」 また、「逆転法(ターン・アラウンド)」といって相手の議論が実は自分たちに有利に働くとする反論方法もあります。たとえば「冤罪事件があったというが裏を返せば現状でも誤って死刑になることを防げるという証拠になる」といったものです。

 

他にも数字のマジック(相手の数字を小さくみせ自分の数字を大きく見せる)といって「再犯率はわずか3.4%と主張していましたが被害者数は年間230人にもなります」という主張をする方法や

 

争点提示法(試合の中での争点を明示しその観点から自分たちの優位性を訴える)といって「肯定側も社会秩序を維持する大切さに同意しましたが死刑があるのとないのでは、どちらが社会秩序の維持に有効でしょうか」と訴える方法もあります

 

ディベートという普段なかなか触れる機会がないものについて、分かりやすく書かれた良書。面白いなと感じた所を掻い摘んで列挙してみました。けっこう大変でした。反論のやり方は普段言いくるめられて言いたいことが上手く言えない人にも役立つ内容ではないでしょうか。ディベートは肯定側、否定側と立場を入れ替えてやることもあるそうで、より思考力が高まるいいトレーニングになるなと感じました。何か重要なことを決める際にも参考になるかも。ぜひ読んで見てください。